国際・政治 ワールドウオッチ

フィリピンの乗り合いバンやジープニーの近代化 計画発表から8年目の今年こそ正念場 中村和生

庶民の足を支える公共交通車両(筆者撮影)
庶民の足を支える公共交通車両(筆者撮影)

 フィリピンの庶民の足を支える乗り合いバンやジープニーといった公共交通システムが、近代化へ向け、正念場を迎えている。

 フィリピン政府は2017年、現在の公共交通システムを、安全かつ効率的で環境にやさしいシステムに変革する公共交通車両近代化プログラムを発表している。車両のオーナーやドライバーに組合化や法人化(統合)を促し、補助金等を投入して、車両の近代化を進めていくというものだ。

 プログラムの発表以降、運行団体やドライバーによる度重なる抗議とストライキが行われた。また、新型コロナの影響もあって、プログラムの第一関門である統合の期限は何度となく延長され、今では今年4月末が最終期限となっている。乗り合いバンやジープニーは国民の生活に不可欠な公共交通機関となっているだけに、政府は影響を最小限に抑えるべく慎重に事を進めている印象だ。

残り174文字(全文540文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事