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金食い虫のカリフォルニア州“新幹線”計画に冷淡な州民 瀧口範子

高速鉄道のプレミアムシート(イメージ図)。ビジネスパーソンの利用を見込んでいる(カリフォルニア高速鉄道提供)
高速鉄道のプレミアムシート(イメージ図)。ビジネスパーソンの利用を見込んでいる(カリフォルニア高速鉄道提供)

 サンフランシスコ─ロサンゼルス間(679キロ)を時速約322キロで結ぶ、米国版新幹線「カリフォルニア高速鉄道」の車内デザインが発表された。ブルーと木目を基調にした現代的なデザインが印象的だが、完成は想定より大幅に遅れており地元の反応は鈍い。州民には「建設は無理」「業者の金もうけのためだけ」といった冷ややかな見方が広がっており、当局は巻き返しに追われている。

 計画は、2008年の州民投票をきっかけに始まり、20年完成の予定だったが、建設管理の不全やコストの膨張などのため、中間の275キロ区間が運行できるのは30年とみられる。民主党が強い同州を敵視するトランプ政権期には「無駄遣い」との批判が高まり、工事が中止されたことも影響した。コストは当初の400億ドル(約6兆円)から、最大1280億ドル(約19兆円)に膨らむとされる。

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