教養・歴史 特集

演奏するほど価値を維持できるストラディバリウスの世界=小田切尚登/花谷美枝

名器ストラディバリウスを弾く気鋭の若手バイオリニスト、成田達輝さん
名器ストラディバリウスを弾く気鋭の若手バイオリニスト、成田達輝さん

 世界で最も高額な楽器、ストラディバリウスは、なぜ特別な存在として君臨し続けるのか。

 現存するストラディバリウスの中でも非常に保存状態が良く、価値の高い楽器の一つと言われる「レディ・ブラント」(1721年製)。この楽器が2011年6月、オークションで980万ポンド(約12億円〈当時のレート〉)で落札された。落札価格が開示されるオークションで、ストラディバリウスが1000万ドルを超えたのは史上初のことだった。

 売却したのは日本音楽財団(東京都港区)だ。東日本大震災の復興支援のために出品した。この財団がレディ・ブラントを購入したのは08年。財団は取得価格を明らかにしていないが、1000万ドル強(10億円超)で購入したと見られている。

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