教養・歴史闘論席

池谷裕二の闘論席 人は何をどこまで理解できているのか

「なぜ重要な遺伝子が無視されるか」
「なぜ重要な遺伝子が無視されるか」

 人は何をどこまできちんと理解できているのか──。そんな疑問を抱かせる論文が発表された。米ノースウェスタン大学のステジャー博士らが9月に発表した遺伝子に関する研究だ。

連載一覧

 生命の理解はこの100年で一気に進んだ。たんぱく質やDNAといった光学顕微鏡では見えないミクロの分子を扱う実験技術が躍進したからだ。その結果、多くの生命現象が分子レベルで詳細に記述されるようになった。

 現代生物学の教科書にはさまざまな分子が登場する。ミクロなパーツが複雑に絡み合い、精密機械のように精緻に作動する生命現象に誰しも驚かされるだろう。そして、研究者たちはこう感じた。「ずいぶんと理解が進んだものだ」

残り567文字(全文860文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事