経済・企業 コンビニ最終決戦

ネット通販に追い上げられ、アジア展開も不振=松岡真宏

ヤマト運輸が49%出資するパックシティジャパン(東京都千代田区)が設置する宅配ボックス=東京都江東区(編集部撮影)
ヤマト運輸が49%出資するパックシティジャパン(東京都千代田区)が設置する宅配ボックス=東京都江東区(編集部撮影)

 小売業は、消費者が買い物に費やす貴重な時間の争奪戦だ。限りある「時間価値」は2種類に分けられる。一つは、不要な時間を可能な限り減らしたいというニーズに、もう一つは心地よい時間を可能な限り増やしたいという欲求に基づく。筆者は前者を「節約時間価値」、後者を「創造時間価値」と呼んでいる。

 コンビニチェーンが提供してきたのは節約時間価値だ。多忙な時には車で15分かけてショッピングモールで買い物するよりも、歩いて数分のコンビニで日常品の買い物を済ましたほうが価値は高い。

 一方、創造時間価値を提供してきたのは、百貨店や幅広い品ぞろえを持つ専門店などだ。多様な商品を圧縮陳列し、来店客に発見の面白さを与えるドン・キホーテも、ある種の創造時間価値を提供している。

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