経済・企業 コンビニ最終決戦

ローソン銀、決済の業界標準を握るか=吉澤亮二

 ローソンは2018年10月にローソン銀行を開業した。現金自動受払機(ATM)事業を当面の柱にしつつも、将来的にはキャッシュレス(脱現金)社会のプラットフォーマー(基盤事業者)となる構想を掲げている。同行の課題をマクロとミクロの視点で考察したい。

 マクロの課題としては、キャッシュレス社会の進展による環境変化が挙げられる。ATM事業は、同行に95%出資する親会社のローソンが既に1万3000台のATMを運営しており、セブン銀行と同様に、収益面で一定の貢献が期待できるだろう。しかし、キャッシュレス化の進展は現金需要を減少させ、中長期的に平均利用件数が計画どおりに推移しないリスクを生む。

 ミクロの課題としては、ローソンとセブン-イレブンの1店舗当たりの平均利用客数の差に起因するATMの稼働率の差がある。両社への来店客が同じ割合でATMを使用すると仮定したうえで、各社の公開情報を基にローソン銀の18年2月期のATM平均利用件数を推定すると、セブン銀の77%にあたる1日当たり72・5件と試算できる。

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