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日米欧3中銀の総資産と連動する株価=市岡繁男

 2008年9月のリーマン・ショックに対し、G20(先進20カ国・地域)各国は総額500兆円の財政政策発動を決定した。さらにFRB(米連邦準備制度理事会)は08年11月以降、巨額の米国債などの購入で市場に潤沢な資金を供給。日銀やECB(欧州中央銀行)も追随し同様の政策を実施した。こうした政策協調が奏功して世界経済は回復。世界株価指数も09年3月を底値に大きく上昇した。

 この間の推移を円ベースで見るならば、世界の株価時価総額は10年で2.6倍の7500兆円になった。これに対し、FRBの総資産は2.2倍の450兆円、ECBは2.5倍の590兆円、日銀は4.5倍の550兆円で、3行合計(約1600兆円)の資産規模は2.8倍に膨張している(図1)。これは株価時価総額の増加率と同じペースであり、この10年間の株価上昇は3中銀の資産膨張を投影していたと言えよう。

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