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歴史認識が食い違う北方領土交渉 遠のく「6月大筋合意」=及川正也

「北方領土返還要求全国大会」であいさつする安倍晋三首相(右から2人目、東京都千代田区で2019年2月7日)
「北方領土返還要求全国大会」であいさつする安倍晋三首相(右から2人目、東京都千代田区で2019年2月7日)

「北方領土の日」の2月7日、政府と元島民団体などが主催する毎年恒例の返還要求全国大会が東京都千代田区の国立劇場で開かれ、例年よりも2割ほど多い約1800人が参加した。3カ月前から急激に走り始めた日露の平和条約交渉への関心の高さを示すものだったが、返還に向けた荒ぶる熱気に会場が包まれていたわけではなかった。

 安倍晋三首相は昨年11月のプーチン露大統領との会談で、歯舞群島と色丹島の2島を平和条約締結後に引き渡すとする1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速することで合意していた。国後島、択捉島を含めた北方四島の返還は断念したのか──。返還運動が大きな岐路に差し掛かっていることを、参加者の誰もが感じ取っているようだった。

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