国際・政治 中国大失速

注目産業別総点検4 半導体 供給過剰のリスクは後退=矢澤広崇

 中国の半導体市場が、2018年夏場を境に状況が一変している。中国は今や世界最大の半導体消費国となったが、その中国でも半導体市場のサイクルがピークアウトしているのだ(図1)。背景には、スマートフォンの普及率の高まりや買い替えサイクルの長期化で販売不振が続いていることや、17年にIT企業などを中心に活発化したデータセンター投資に設備余剰感が強まったことがある。さらに、米中通商摩擦などによる世界経済の先行き不透明感から中国の設備投資拡大が一服していることも下押し要因となった。

 そもそも中国では、技術力の問題から旺盛な半導体需要を自国の生産では賄えず、多くを輸入している。そこで、中国政府は15年に発表した「中国製造2025」の中で、これまでの主な半導体産業のプレーヤーだった台湾、韓国、米国、日本に割って入ろうと、「半導体の国産化」を国策として掲げた。

残り873文字(全文1250文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事