経済・企業 鉄道の悲劇

リニアの挫折 静岡県知事の言動に振り回されるJR東海=佐藤信之

会談を行った川勝平太・静岡県知事(左)と金子慎・JR東海社長
会談を行った川勝平太・静岡県知事(左)と金子慎・JR東海社長

 6月26日、静岡県庁において川勝平太・静岡県知事と金子慎・JR東海社長によるトップ会談が行われた(写真)。

 2027年の品川─名古屋間のリニア中央新幹線の開業に向けて、JR東海の静岡県内の工事は14年に開始されている。基本的には整地と作業員宿舎の建設などヤード(準備基地)の工事であるが、実際には非常口の坑口の掘削が始められていることが判明し工事が中断していた。なお、5ヘクタール以上の開発には「静岡県自然環境保全条例」で自治体との自然保護協定の締結が必要だが、この時の工事は4・9ヘクタールで、県の条例の対象ではなく工事は可能であった。

 JR東海側の会談の目的は、このヤードの工事を再開したいというもの。開発面積も5ヘクタールを超えるため、県の条例により協定の締結が求められることになった。

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