経済・企業 鉄道の悲劇

低金利とコロナ禍 崖っぷちJR北海道とJR四国 赤字を「持参金」運用で賄えず=松田遼

「日本一最終列車が早い」と言われたJR北海道の札沼線は、4月に一部区間が廃止となった
「日本一最終列車が早い」と言われたJR北海道の札沼線は、4月に一部区間が廃止となった

 JRグループは、旧国鉄の本州を3分割して生まれた、JR東日本、JR東海、JR西日本の3社と本州以外のJR北海道、JR九州、JR四国の3島会社、JR貨物で構成されている。1987年に国鉄が分割民営化された際に、3島会社には、経営安定基金が設定され、その運用益で鉄道事業の赤字が補填(ほてん)されることになった。

 当時、この基金は民営化に伴う国からの「持参金」と揶揄(やゆ)された。JR東日本、JR東海、JR西日本に加えて、JR3島会社のうちJR九州は、2016年秋に上場した。同社は、16年3月末に経営安定基金を取り崩し、鉄道事業固定資産の減損処理を実施し、上場企業としての体制を整えた。

残り1402文字(全文1696文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事