教養・歴史 書評

10年間の復興政策を検証 忘却に抗う創造的復興へ=井上寿一

 東日本大震災の発生から10年が経過した。この10年間にさまざまな復興政策が展開された。それらの復興政策を歴史的に検証すればどうなるか。五百旗頭(いおきべ)真・御厨(みくりや)貴・飯尾潤監修/ひょうご震災記念21世紀研究機構編『総合検証 東日本大震災からの復興』(岩波書店、4000円)が多角的な視点から分析している。

 本書が扱うテーマは、津波、原子力災害、住宅、産業・雇用、教育にとどまることなく、「記憶の伝承と教訓」にまで及ぶ。東日本大震災とその復興の歴史をどのように伝承すべきか。ここではネットワーク化された震災伝承の活用によって、防災力を強化することが提言されている。

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