教養・歴史 書評

「中年」という可能性に満ちた時間を大切にしたくなる1冊

「中年」という可能性に満ちた時間を大切にしたくなる1冊×月×日

 6月の誕生日に歳を聞かれ、数人へ「38」と答えてしまったが、本当は37歳だ。新年に年齢を自覚するせいか、カウントが前のめりなのは子供時代からである。

 さて40代も間近。もうおばさんだと自分で思っても、周囲が妙に気を使う過渡期らしい。あと数年は仕方ないかなと思っている時に出会った『我は、おばさん』(岡田育著、集英社、1760円)。元編集者の著者による、多岐にわたるおばさん論。

 引用資料として60を超える歌、映画、漫画、TV番組、ニュース記事等が収められているが、名前の出てくる作品はさらに膨大。きっと誰でも記憶に強く残っているおばさん像があると思うが、それを著者の手でひもとかれることにより、自らの「おばさん論」に昇華されると思う。

残り986文字(全文1335文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月28日号

バイオ製薬最前線 肥満 がん 認知症第1部 創薬テーマ編肥満14 画期的な減量効果の治療 ノボ、リリー2強が世界席巻■中桐成美/中西拓司17 内臓脂肪減少薬 大正製薬が「アライ」発売 吸収抑えて25%を排せつ■中西拓司19 米国の現実 成人の「4割超」の深刻 国防にも影響するレベル■岩田太郎20 体 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事