教養・歴史 書評

庶民は参詣や山岳信仰、公家は債権者同伴。 江戸の旅行あれこれ=今谷明

公家の旅は債権者同伴 江戸期の旅行あれこれ=今谷明

 コロナ禍の社会状況の下で、「三密」を避けるためと称して“GoToトラベル”の議論が喧(かまびす)しい。旅行に行きたい人々や、せめて近くの温泉でも、と思っている方は、ウズウズしておられよう。こんな時こそ、日本人がいつごろから娯楽で旅行ができるようになったのか、顧みることもあながち無駄ではあるまい。

 安藤優一郎著『江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ』(朝日新書、891円)は、一般庶民に旅行ブームが湧き起こったのは江戸時代の中期と規定した上で、その背景や観光地、大名や外国使節の旅行も含めて江戸の旅全般を論じた興味深い一般書である。

残り660文字(全文962文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事