教養・歴史 書評

豊富な写真で全土の「抗日」テーマパークを紹介する奇書=加藤 徹

「抗日」施設を徹底紹介 中国の歴史認識知る“奇書”=加藤徹

 関上武司『中国抗日博物館大図鑑全土35施設潜入取材』(パブリブ、2530円)は、強烈な奇書だ。日中戦争を、中国人は「抗日戦争」と呼ぶ。本書は、中国各地の「抗日」をテーマとした施設を35カ所、豊富な写真付きで紹介する。

 歴史的な有名人の記念館は、独特の風格がある。“ラストエンペラー”こと溥儀(ふぎ)の仮御所や、中国史の流れを変えた西安事件の立役者である張学良と楊虎城が住んでいた建物も、今は記念館として公開されている。

 中国人が殺された様子を生々しく展示する博物館も多い。関東軍の731部隊の跡地や、住民虐殺事件が起きた撫順の平頂山、重慶爆撃や南京大虐殺の記念館などは、ページをめくるだけで息苦しくなる。

残り601文字(全文933文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事