教養・歴史 書評

『他者と生きる』 磯野真穂著 集英社新書 990円

『他者と生きる』 磯野真穂著 集英社新書 990円

 コロナ禍は医療にまつわる数字に人々の意識を向かわせた。重症化のリスクにワクチンの効果と副反応。調査データから複雑な計算式で導かれた「正しい知識」が、レトリックや著名人のエピソードと重なって人々の感情や行動を左右する。本書はそうした「統計学的人間観」が支配する現状を浮き彫りにする。より長く生きることが最優先なのかと投げかけ、同じ時間でも深く生きる人生を示す。「統計学的人間観」は医療に限らず問題意識となりうる。(A)

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バイオ製薬最前線 肥満 がん 認知症第1部 創薬テーマ編肥満14 画期的な減量効果の治療 ノボ、リリー2強が世界席巻■中桐成美/中西拓司17 内臓脂肪減少薬 大正製薬が「アライ」発売 吸収抑えて25%を排せつ■中西拓司19 米国の現実 成人の「4割超」の深刻 国防にも影響するレベル■岩田太郎20 体 [目次を見る]

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