教養・歴史 書評

核政策と戦後知識人の関わりを考える2冊=井上寿一

非核論と知識人の役割 今こそ再考を 

現在の日本における知識人の社会的な地位は、暴落していると言っても過言ではないだろう。今や知識人とは、テレビで時事問題をわかりやすく解説する人のことを指すかのようになっている。

 他方でロシアのウクライナ侵攻にともなって、「核シェアリング(核兵器の共有)論」がにわかに台頭するようになっている。

 知識人と核兵器との関係を考えようとすると、すぐに思い出されるのが清水幾太郎である。戦後の進歩派知識人の清水がその後180度の転換を遂げて、日本核武装論を唱えるに至ったことはよく知られている。

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