教養・歴史 書評 『絶版本』 柏書房編集部編 柏書房 1760円 2022年10月14日 『絶版本』 柏書房編集部編 柏書房 1760円 書評で取り上げる本は、ちまたで入手可能なものが基本だ。本書は、出版流通に乗らなくなったゆえに日のあたることがない絶版本について、研究者ら24人がつづる。自身の人生で重要な一冊が今は絶版状態と嘆きつつ、そのことが本の価値を表すわけではないと訴える。かけがえのない本の存在とともに、出版の現状も浮かび上がる。電子化で絶版が消滅しても「書物は、閲覧可能であるだけでは、読まれるようにならない」。こうした語り継ぎこそが本を伝える。(A) 前の記事 『転生 満州国皇帝・愛新覚羅家と天皇家の昭和』 牧久著 小学館 3300円 次の記事 中国の学術用語とネット語を日本語由来の言葉が席巻 菱田雅晴 文字サイズ 小中大 印刷