教養・歴史 書評

『箱根の開発と渋沢栄一』 武田尚子著 吉川弘文館 4180円

『箱根の開発と渋沢栄一』 武田尚子著 吉川弘文館 4180円

 箱根・仙石原が日本有数の観光地となった背景には著名な実業家・渋沢栄一の存在があった。近代日本で都市に生まれた財閥らがいかに地方を開発していったかを克明に再現した貴重な研究だ。渋沢と盟友の益田孝は明治期、かの地で牧場経営に着手。頓挫するも温泉や別荘地の経営で成果を上げていった。当時の皇太子(後の昭和天皇)が造成された民間のゴルフ場に通ったり、鉄道が電化されていったりする歴史も明かされるなど興味深い事実が多数。(W)


週刊エコノミスト2023年5月23・30日合併号掲載

『箱根の開発と渋沢栄一』 武田尚子著 吉川弘文館 4180円

インタビュー

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事