教養・歴史 小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

AIを導入したいが、どんな心構えとルールが必要でしょうか/195

リード・ブラックマン(生年不詳)。アメリカのAIコンサルタント。元哲学教授。次世代経営思想家としても注目されている。(イラスト:いご昭二)
リード・ブラックマン(生年不詳)。アメリカのAIコンサルタント。元哲学教授。次世代経営思想家としても注目されている。(イラスト:いご昭二)

Q AIを導入したいが、どんな心構えとルールが必要でしょうか AI(人工知能)を導入したいと思うのですが、ルールをしっかりと決めておかないとかえってトラブルになると聞き、腰が引けています。心構えなども含めてどうすればいいでしょうか?(機械メーカー管理職・50代男性)

A 「内容」と「構造」を明確に区別し、倫理的レベルや責任の所在を定めましょう

 どこの企業もAIを導入して効率化を図ろうとしています。しかし半面、AIがプライバシーの侵害など思わぬ問題を引き起こしているのも事実です。その意味では、導入に腰が引けるというのもよくわかります。もちろん専門家に委ねるという手もありますが、丸投げでは不安でしょう。そこで今回は、元哲学の教授で、AI導入におけるリスク軽減をサポートする会社の創設者リード・ブラックマンの考えを参照したいと思います。

 ブラックマンはAIを導入する際の三つの主要課題を指摘しています。それはプライバシーの侵害、ブラックボックス化(説明可能性)、バイアス(偏見)です。いずれもよく耳にするものですよね。こうした問題に対処するために彼が強調するのは、全体像を見て、包括的にアプローチすることです。

避けたい事態を熟考

 具体的には、コンテンツ(内容)とストラクチャー(構造)の違いを区別し、コンテンツからストラクチャーを導き出す必要があるといいます。例えばプライバシーの侵害でいうと、前提と…

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