気候変動は一大リスク 自然災害の損失は「25兆円」= 河口真理子
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気候変動は企業経営も大きく揺るがし始めた。一刻も早い対処が求められている。
この秋、相次いで東日本を直撃した大型台風や大雨が首都圏にも甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しい。当時気象庁の予報官が「直ちに命を守る行動を!」とテレビで迅速な避難を呼びかけ、台風上陸に合わせて首都圏の公共交通機関は一斉に計画運休するなど、自然の脅威が社会経済に甚大な影響を与える未曽有のレベルに上がっていることを肌で感じた人も少なくないだろう。
すでに世界規模で気候変動は、自然災害により原材料作物の収量が落ちる、台風などによって国際国内物流が滞る、熱波により屋外作業ができなくなる、工場や設備が被害を受ける、そして従業員の通勤が困難になる、などサプライチェーン(商品などの供給網)に大きなダメージを与えている。こうした状況で、環境経営や、持続可能な世界を実現する国際目標を企業経営に取り込む「SDGs経営」をする企業も少なくない。
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週刊エコノミスト
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