さすがは米国 連邦議員保有株のETFも上場(編集部)
銘柄コードは民主党が「NANC」、共和党が「KRUZ」。保有銘柄から、政策の志向も浮かび上がる。
資本主義を「国是」とする米国で、国柄を象徴するような上場投資信託(ETF)2本が2月7日、Cboeグローバル・マーケッツ傘下のBZX取引所に上場した。両ETFは、連邦議員とその配偶者が「議員知識利用の株式売買禁止法」に基づき開示される保有株式状況に追随するETFだ。
銘柄コードは「NANC」と「KRUZ」。前者は民主党のペロシ下院議員を、後者は共和党のクルーズ上院議員を連想させる。
ファンドを組成した米サブバーシブ・キャピタル・アドバイザーの運用担当者は、ETF関連サイトで次のようにコメントしている。「連邦議員たちの株式投資成果は、2021年と22年にS&P500指数連動を目指すETFの運用成績を上回る。一般の米国民よりも多くの情報を得ている議員の取引に従って運用すれば、私たちも同様の成果が上げられる」──。
ETFの構成銘柄(表、拡大はこちら)は、両党の支持基盤や政策志向が鮮明だ。民主党は牙城のカリフォルニア州など米西海岸に本社が多いIT企業が目立つ。気候変動問題に消極的な共和党は、石油・天然ガスなど化石燃料系の銘柄が多い。
(浜田健太郎・編集部)
週刊エコノミスト2023年3月21日号掲載
民主党はIT、共和党は石油 米連邦議員のETF=浜田健太郎