今週のポイント 貿易統計(10月18日) 輸出がどこまで下振れるか=上野剛志
有料記事
10月18日に9月の貿易統計(速報)が財務省より公表される。昨年度の日本の実質国内総生産(GDP)成長率は前年比1.6%であったが、このうち輸出の寄与度が1.0%を占めるなど、近年の日本経済にとって輸出が成長の原動力となってきただけに、その動向が注目される。
8月の貿易統計(速報)によれば、同月の輸出数量指数は前年同月比1.1%増と7月(同0.9%増)に続いて1%程度の伸びにとどまり、今年上半期(前年同期比3.0%増)以降、輸出の伸びが鈍化している。世界経済の回復基調は途絶えていないものの、7月の西日本豪雨に続いて、8月にも複数の台風が上陸したことで生産が一部休止し、輸出にも悪影響を及ぼしたとみられる。
そして9月には台風21号による関西空港の閉鎖や、北海道胆振東部地震による工場の稼働停止が発生したため、輸出の下振れがさらに明確化する可能性が高い。ただし、これらの自然災害については復旧が進められているため、次第に影響が緩和していくと見込まれる。
残り593文字(全文1022文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める