今週のポイント ブラジル大統領選挙(10月7日) 決選投票にもつれ込む公算大=神戸雄堂
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10月7日にブラジル大統領選挙の第1回投票が行われる。仮に、第1回投票で過半数を獲得する候補者が現れない場合は、上位2人による決選投票が28日に実施される。今回の大統領選挙は混迷を極めており、決選投票にもつれ込む公算が大きくなっている。
ブラジルの大統領選挙は4年ごとに実施され、前回の2014年選挙ではルセフ氏が再選した。しかし、同氏は国家会計の不正操作を理由に16年8月末に罷免され、後任として副大統領であったテメル氏が大統領を務めている。
ルセフ政権時の拡張的な財政政策によって財政が悪化したブラジルでは、レアル安や公共料金の引き上げがインフレ率の急騰を招き、15、16年と2年連続の景気後退に陥った。テメル政権は財政健全化や構造改革に取り組み、市場の信任を回復した結果、インフレ率は鈍化し、17年は3年ぶりのプラス成長となった。しかし、財政赤字の主因である年金制度の改革はいまだに実現できておらず、選挙における大きな論点となっている。
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週刊エコノミスト
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