40代転職者は9年で5倍 産業構造の転換追い風に=編集部
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「景気回復に加え構造的な人材不足を受けて企業の採用意欲は旺盛だ。求職者にしてみれば転職先がたくさんあり、売り手市場だ」。転職支援サービス、リクルートキャリアの藤井薫HR統括編集長は語る。同社調査によると40代以降の転職市場の活況が続いており、2009年の転職決定者を1とした場合、18年は4・74に急増している。50代も3・17と転職市場全体とほぼ同じ傾向だ(図1)。転職が可能なのは35歳までという従来の「35歳限界説」は「完全に崩壊した」(藤井氏)という。日本企業が事業の選択と集中、デジタル革新による成長戦略を進める中で、専門性のあるベテラン社員の中途採用に弾みが付き、50代でも十分に転職が可能となっている。
同社調査によると、転職先として受け皿が大きいのは、電気・電子・機械メーカー、IT通信、建設・不動産、インターネット業界などだ(図2)。転職市場をけん引するのはデジタル技術に関連する専門人材だ。従来型の大企業でも、年齢や入社年次による賃金テーブルは崩れている。例えば大手自動車メーカーでは、「自動車というモノを売る」企業から「移動というサービスを売る」企業への転換を図っており、そのためには、年齢を問…
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週刊エコノミスト
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