資源・エネルギー世界経済総予測 2020

原油 OPECプラスの「予想外」減産 アラムコ上場で価格維持の思惑=岩間剛一

2019年12月11日に上場したサウジアラムコ(Bloomberg)
2019年12月11日に上場したサウジアラムコ(Bloomberg)

 2019年12月5日のOPEC(石油輸出国機構)総会に続く、12月6日のロシアなど非OPEC加盟国も加えた「OPECプラス」の会合で、現在の協調減産幅である日量120万バレルを、日量50万バレル拡大することを決めた。20年1~3月、日量170万バレルの協調減産を行う。さらにサウジアラビアは、自主的に減産を上積みし、合計日量210万バレル以上とした。

 当初は、サウジの国営石油企業サウジアラムコのIPO(新規株式公開)を控え、その企業価値引き上げのために原油価格を下支えしたいOPECの盟主サウジに対し、非OPECの代表格であるロシアが、国内の石油企業の利益減少を懸念して、現行の日量120万バレルの協調減産の延長にも難色を示していた。それだけに、協調減産幅引き上げの決定に、国際石油市場はサプライズと受け止めた。米国標準油種WTI原油価格は、12月…

残り2264文字(全文2640文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事