東京市場 ストラテジストが読む 景気に弱さ、成長株主導続く=三井郁男
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株式市場は、新型コロナウイルスの感染が再拡大し、経済回復期待がしぼみ、4~6月決算は6割近い減益に対して、ワクチンの開発動向や各中央銀行による超金融緩和に伴う高い流動性が下値を支える展開が続いている。
景気動向は4~6月期の国内総生産(GDP)は年率で27・8%のマイナスだった。7~9月のGDPはプラス成長に転換するだろうが、月ごとに見ると、景気の最悪期は緊急事態宣言が解除された5月が底で、その後、全国的に緊急事態が解除された6月は経済が再開し、一律10万円の給付金支給が消費につながり回復した。しかし、感染が再拡大した7月以降回復の勢いに陰りが出て、V字回復とはなりにくい状況だ。
政府は更なる経済の停滞を受け入れにくく、全面的な都市封鎖を回避する可能性が高い、「コロナとの共生」の時代に入ったといえる。この状況では中央銀行による金融政策変更は難しい。景気は停滞しても株式市場は流動性によるサポートと政策期待で大きな調整に陥りにくい。
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週刊エコノミスト
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