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経済・企業 どうする?! 空き家&老朽マンション

インタビュー「観光地を損ねる危機感 移住者の支援も強化」伊藤友則・千葉県香取市長

 全国でも空き家対策に積極的に取り組む千葉県香取市。トップにその狙いなどを聞いた。(聞き手=浜田健太郎・編集部)

── 香取市は空き家対策特別措置法に基づく行政代執行などの件数が全国トップだ。積極的に取り組むきっかけは。

■国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている佐原の町並みに、放置されていた危険なビルや空き家があった。観光客を危険にさらし、景観も損ねているため、危機感があった。他の地域でも、危険な建物について継続して対策を実施している。その結果が行政代執行の件数として表れているのだろう。

── 香取市では、空き家の所有者と利用希望者の橋渡しをする「空き家バンク」に加え、空き家の売却情報を不動産業界に提供する「空き家等の流通・利用促進に関する協定」も結んでいる。

■空き家バンクは移住促進が目的で、制度自体は全国的に知名度が高い。空き家所有者と香取市への移住定住希望者の窓口として機能させることを目指している。空き家バンクを通じて売却した空き家は累計で30件に上り、移住者は22人。協定は昨年8月から運用を開始した。「管理不全空き家」の発生を未然に防ぐことを重視している。相談申込件数は15件あり、うち10件が相談対応中だ。

 香取市では、都会で教師をしていた夫婦が移住して、養蜂業を始めた人がいる。佐原の町並み地区で、市外からビジネスオーナーが空き家に出店し、成功した事例もある。農村部で、空き家だった古民家にギャラリーを作った人もいる。商工会議所やJAによる支援を強化して、起業・創業が成り立つ循環を作っていきたい。


週刊エコノミスト2023年8月29日号掲載

空き家&老朽マンション インタビュー 伊藤友則(千葉県香取市長) 「観光地を損ねる危機感 移住者の支援も強化」

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