高騰期待の日本株10銘柄はこれだ 三菱重工からカプコンまで 戸松信博
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欧米からの資金流入や円安など、大型株への追い風は2025年も継続、株価の成長が期待できる。
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2025年の日本株についてはプラス面とマイナス面の両方がある。結論としては、大型株は、基本的には強気だが、中小型株は業績や株価動向を考えながら注意深く投資を行う必要がある。
まず、日本の大型株が堅調であろうと考える理由は、日本版コーポレートガバナンス改革が結実し、企業は成長と同時に、業績拡大があった場合、増配や自社株買いによって投資家に還元する姿勢を明確に打ち出しているためである。24年4〜11月までに発表された、今年度の自社株買い設定枠は前年同期の倍以上の累計金額14兆円とも伝わる。これにより、これまで利益を出しても投資家への還元が少なく、欧米の機関投資家からすると魅力的に見えずに安値で放置されていた日本株に資金が流れ込むようになり、ウォーレン・バフェット氏やブラックロックなどの機関投資家も日本に注目している。この流れは25年も継続する見込みで、大型株の追い風になる。
また、為替が円安傾向にある点も海外で利益の大きな部分を稼ぐことが多い大型株にとっては追い風となる。来年から始動する第2次トランプ政権が「アメリカファースト」の景気刺激策を打つことによって、米国の景気は良い状態が保たれ、市場の予想よりも米国の利下げ回数は低くなる可能性がある。一方、有効な景気刺激策や減税などの財政政策を打ち出せない日本の国内景気は低迷傾向が続きそうで、利上げは非常に緩やかなペースとなりそうだ。結果として、日米の金利差は市場の予想ほどには縮小せず、これも大型株にとって追い風といえるだろう。
一方、マイナス面を挙げるとすると、中国経済の失速がある。実際に24年7〜9月期は中国事業の軟調により業績が市場予想を下回る日本企業が多くあった。中国当局も景気刺激策は打っているが、規模が小さく、現状を立て直せるほどではないと思う。さらに今後はトランプ政権が中国に高関税を課してくる事態も考えられ、これは日本の大企業にも大きな影響を与える可能性がある。さらに言えば、トランプ政権は日本に対しても関税をかけてくる可能性が十分にあり、それが大型株の足を引っ張る可能性もあるだろう。
防衛や金融に注目
では、そのような状況下でどのような銘柄を買えばよいか。今回はプライム市場に上場する10銘柄を紹介する。
まずは三菱重工業。航空、防衛、タービン、造船などを手がける総合重機企業で、23年にガスタービン世界市場でシェア1位を獲得している。米次期トランプ政権では日本の防衛力強化が25年のテーマの一つになるが、三菱重工は代表的な注目銘柄といえる。
同じく防衛関連でIHIにも注目だ。同社も日本を代表する総合重機大手の一角だが、31年3月期までに民間エンジンで20%の営業利益率、防衛事業で1…
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週刊エコノミスト
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