テクノロジースマホAIで病気を治す医療&ビジネス

AI診断 「腫瘍性」を瞬時に判定 大腸内視鏡で実用化=葭原友子

     医療機器や関連業界でのAI(人工知能)やICT(情報通信技術)の利活用が急速に進んでいる。特に、AIの利活用は、単体の製品を売って終わりではなく、販売後も継続的に収益をあげるビジネスモデルへの転換を実現するために、関連企業にとって重要なテーマとなっている。

     また、医療は、病気の根治を目的とする時代から、患者のQOL(生活の質)改善が重視される時代へ移行しつつある。医師が患者に接する時間をより多く確保することは一層重要になると考えられ、AIはこうしたニーズに応えるために必須の技術となりうる。AIを利活用したイノベーション(技術革新)では米国企業が先行しているが、日本企業でも取り組みが活発化している。

     胃、大腸、食道など消化器分野の内視鏡で世界市場シェア約70%を有するオリンパスは、その強みを生かし、AIの利活用を積極的に推進している。また、開発では、さまざまなパートナー企業との連携を進めることで、事業化を早期に実現する方針を打ち出している。これまで、生命科学領域の画像解析に強みを持つ東京大学発のベンチャー企業エルピクセルへの出資や、大腸内視鏡検査でAIによる診断支援技術を持つカナダの「ai4gi」との共同開発契約を締結している。

     現行のビジネスモデルでは、通常の機器販売やリース契約取引などが主な収益源となる。しかし、AIの利活用により、新しいサービスの提供が可能になると考えられ、同社の事業機会の拡大が期待できるだろう。例えば、一連の内視鏡検査では、AIによる内視鏡の挿入・診断支援やリポート作成の自動化などが具体例として検討されている。こうしたサービスの提供は少し先となる見込みだが、実現すれば、同社の収益拡大への寄与に加え…

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