割高な米株価 景況感から大きく乖離 つきまとう急落のリスク=新村直弘
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2019年は米大統領選挙を翌年に控え、政治的な思惑が金融市場を大きく動かす年となった。循環的な景気の減速を、政治的な動きが翻弄(ほんろう)したと総括できる。しかし、商品市場から見てみると、投機資金の主戦場である株式市場はやや割高に推移しているように見える。
図1はS&P500株価指数と米国の代表的な原油であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)価格の前年比変化の推移である。両者は景気に連動して変化するため基本的に似たような動きとなる。
特徴的なのは、金融政策などの景気刺激策が実施されると、株価は商品以上に反応しやすい点だ。10年以降はS&P500もWTIも全体として上昇したが、株価の相対的な上昇率の方が大きかった。
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週刊エコノミスト
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