東西ドイツ統一30年 「欧州の病人」から「独り勝ち」も 成長鈍化と国内分断に直面=田中素香
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2020年はドイツ統一から30年。当時は「歴史の終わり」「欧州のためのドイツ」と盛り上がったが、ドイツは破綻した東独経済を背負い、インフレ・経常収支赤字・低成長の「欧州の病人」となった。しかし、21世紀初頭からドイツの輸出は急増し、経常収支黒字は年々拡大して経済成長を支え、ユーロ危機の中で「独り勝ち」へ進んだ。それを支えたのは新興諸国の活発な輸入であった。
00〜12年まで、中国を先頭に新興諸国への輸出は5、6倍に伸びた。グローバル化や原油価格の上昇で潤った新興国は、自動車・生産設備など、ドイツの高度・精密な製品を大量に輸入したからだ。ドイツ企業は新興国で現地生産を拡大し、中国には5000社以上が進出、自動車生産は400万台超と本国を上回った。
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週刊エコノミスト
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