東京市場 ストラテジストが読む 米中技術摩擦、日本企業には好機=三宅一弘
有料記事
懸案の米中通商協議は、米国がスマートフォンやパソコン、玩具など中国製品1600億ドル(約17・4兆円)相当に対する追加関税15%の発動を見送る一方、中国がモノ・サービスの大規模輸入拡大(2年間で2000億ドル)を行うことを柱とする第1段階の合意がなされた。近々正式署名が予定されている。第2段階では、中国が知的財産権保護や技術移転の強要禁止、為替操作問題などに対処する一方、米国が追加関税の引き下げにどの程度応じるかが焦点になろう。ここまでは何とか合意の可能性があり、2020年前半は米中部分合意が進行しそうだ。
しかし、ハイテク分野を中心とする米中覇権争いはむしろ強まりそうだ。米国は、同分野を中心に対中輸出入規制や合併・買収規制を強化するなど、中国封じ込め政策を進めている。一方、中国は、米国を刺激する「中国製造2025」を言わなくなったが、5G(第5世代移動通信規格)やデジタル化の加速など、次世代産業の強化に拍車をかけている。米国以外で中国に協力できる国の企業との関係強化をめざし、「米国外しのサプライチ…
残り415文字(全文872文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める