週刊エコノミスト Online ノーベル経済学賞 RCT革命
基礎から学ぶRCT 純粋な“くじ引き”で比較対照グループ作成=青柳恵太郎
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介入(何らかの課題解決を意図して行われる取り組みのこと)の効果を検証する際には、比較が重要である。比較とは、介入が実行された場合とされなかった場合を比べることであり、このことはデータ分析の基本となる。英語にはリンゴとオレンジを比較する(comparing apples to oranges)という表現がある。全く前提条件が異なるもの同士の比較はできないという意味だ。当たり前のことのように思えるが、介入が行われる現実社会の中でリンゴとリンゴを比較することは思いのほか、難しい。
2019年のノーベル経済学賞受賞者であるエステール・デュフロ氏やアビジット・バナジー氏らも取り組んだマイクロファイナンスを例に考えてみよう。この取り組みは、貧困層に少額の資金融資をすることで、貧困からの脱却を促そうとするものだ。
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