週刊エコノミスト Online ノーベル経済学賞 RCT革命
政策実務でも活用 英国では徴税率アップ 日本でもごみ放置減に一役=小林庸平
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近年多くの国でエビデンスに基づく政策形成(EBPM=Evidence-Based Policy Making)が進められている。「エビデンス」とは「政策の因果効果に関する科学的な根拠」と定義されることが多いが、ノーベル経済学賞受賞者のアビジット・バナジー氏らが活用を進めたランダム化比較試験(RCT=Randomized Controlled Trial)は、さまざまな政策のエビデンスを明らかにするための有用で強力な道具である。
RCTの政策への活用は、英米を中心に海外でいち早く行われてきた。例えば英国ではWWC(What Works Centre)と呼ばれる組織が、医療、教育、犯罪、地域経済、高齢者、ホームレスといった政策分野ごとに設置されている。同センターの重要な機能は、エビデンスを明らかにして政策担当者や実務担当者に届けることである。エビデンスを明らかにするためにRCTが積極的に活用されており、例えば教育に関しては…
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