貴金属 暴騰続けるパラジウム 慢性的な供給不足が影響=池水雄一
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金価格が上昇する裏で、金をはるかに上回って値上がりしている貴金属がある。それがパラジウムだ。今年2月27日には1トロイオンス=2866・2ドルと過去最高値を付け、1年間で価格は倍以上に暴騰している。パラジウムは一般には聞き慣れないかもしれないが、プラチナと同じ白金族であり、金、銀、プラチナとともに先物市場に上場された四つの貴金属の一つである。
金価格の上昇理由は「投資家の買い」によるところが大きく、実需はマーケットにほとんど影響を与えていない。しかし、パラジウムやプラチナは、金とは正反対に純粋な「需給」が価格に大きく影響する。プラチナはここ数年で供給過剰になる年が多く価格も低迷しているが、パラジウムは需要に比べて供給が圧倒的に足りておらず、供給不足は10年間も継続している。
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週刊エコノミスト
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