マーケット・金融THE MARKET

東京市場 ストラテジストが読む 金価格高騰で関連株投資に妙味=藤戸則弘

 金価格が高騰している。コロナ禍を取り巻く不透明感・不安心理が、金にとってプラスになっている。加えて金にとって最大の短所といわれた「金利のない資産」の側面が、各国中銀の超緩和策による「金利喪失」によって打ち消された面が大きい。

 需給面では、新興国の中銀が金準備を増加させている点が重要だ。2019年末の金準備高と前年比の増減は、ロシア2271トン(7・4%増)、中国1948トン(5・1%増)、インド633トン(5・7%増)など、先進国中銀がほぼ横ばいの中で、着実に金準備を積み上げている。トルコは412トン(62・7%増)と急膨張させた(ワールド・ゴールド・カウンシル調べ)。

 自国通貨安が続けば続くほど、金準備で信頼感を取り戻そうとする傾向があるようだ。また、今年6月末の金ETF(上場投資信託)全体の残高は1カ月で104・3トン増の3621トンとなり、史上最高を更新している(同)。ヘッジファンドも、26万枚超の買いポジションを維持(米商品先物取引委員会データ)しており、膨大なマネーの需給相場の色彩が濃い。

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