通貨不信 高値維持し続ける金価格 “目減り”するドルの価値=小菅努
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昨年8月に史上最高値を更新し、1トロイオンス=2000ドルを突破した金価格。昨秋以降は値を下げたものの、今年1月時点では前年同期比で約2割高となる1トロイオンス=1800~1950ドルの高値を維持している。米国の長期金利から期待インフレ率(市場が見込むインフレ率)を差し引いた実質金利が依然としてマイナス1%近辺で推移しており、実質的に米ドルの価値が目減りしていることが高値の背景にある。
今年の年初には米長期金利が1%の節目を突破したことで、金売り・ドル買いが瞬間的に膨らむ場面もみられた。コンピューター・プログラムによる自動売買を行うアルゴリズム系ファンドの損切りが誘発された模様で、1月12日の週に大口投機筋の金買いポジションは、前週比で約1割減少している。しかし、長期金利と同時に期待インフレ率も大きく上昇し、金市場が重視する実質金利の上昇は回避されている。ドルにとって弱気、金に…
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週刊エコノミスト
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