自治体の認定制度もスタート 住宅ローン金利引き下げのメリットも 白鳥達哉(編集部)
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マンション管理適正評価制度と同時に、自治体が管理の優れたマンションにお墨付きを与える「マンション管理計画認定制度」がスタートした。
自治体が優良管理を「認定」
「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(管理適正化法)が改正され、今年の4月1日から「マンション管理計画認定制度」がスタートした。マンションの管理不全を防止することを目的に、地方自治体が管理の状態をチェックし、基準を満たすマンションを「認定」する。
さらに管理不全のマンションに対し、法律に基づく助言や指導などが可能となる。今後、築40年を超えるマンションの急増が見込まれる中、問題のあるマンションの増加を防ぐために、行政の権限を強化する狙いもある。
「フラット35」も優遇
認定制度は国が定めた「マンション管理適正化指針」を基本に(表1)、自治体が「マンション管理適正化推進計画」を作成し、それを元に審査する。場合によっては各自治体の独自基準が加わる(表2)。愛知県、名古屋市は、防災に関する取り組みを項目に入れている。大阪市は耐震関連も重視している。
評価は都道府県、市、区などが行い、評価法は認定と非認定の二つのみで、認定の有効期間は5年間だ。
申請するには、事前に区分所有者による総会で決議した後、申請書や管理計画を作成し、管理規約、修繕計画、総会決議の写しなど必要な書類を地方自治体に提出する。この際、手数料が発生する場合もある。
ただし、専門的な知識が必要になることも多いため、申請書類の作成を円滑に行えるようマンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前にチェックしてもらうことも可能だ。
認定を受けたマンションにはメリットもある。住宅金融支援機構の長期固定金利住宅ローン「フラット35」は、4月から認定マンションに対して借入金利を0.25%引き下げるプランを開始した。同機構は、同じく認定マンションに対し…
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週刊エコノミスト
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