テクノロジー

患者が多く特効薬のない疾患に挑む大手医薬企業 中桐成美

 市場規模の大きさから肥満症治療薬の開発が加速。関連製薬企業の株価上昇が見込まれそうだ。>>特集「これから来る!バイオ医薬株」はこちら

 デンマークの製薬大手ノボノルディスクの肥満症治療用の注射薬「ウェゴビー」が2021年6月、米国で承認され、発売から1年強で四半期(22年4~6月期)の売り上げは12億ドルとなった。これを1年分に置き換えると、一気に世界の医薬品売り上げランキングの20番目(21年、新型コロナウイルス感染症関連を除外)に躍り出る計算となる。ウェゴビーの快挙により、発売以来(22年10月12日現在)同社の株価は1.3倍に拡大した。

 肥満症治療薬は今、最も市場の注目が高い領域だ。肥満症患者は世界に約6.5億人存在するが、治療を受けている患者はほんの一部で、まだ開拓が始まったばかりの市場だ。24年にはウェゴビーよりもさらに有効性が高いとされる米製薬大手イーライリリーの注射薬「チルゼパチド」が米国で承認される可能性があり、市場成長はますます加速する見込みだ。米製薬大手の、ファイザーやアムジェンも、開発早期段階だが、参入を表明して…

残り1200文字(全文1674文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事