テクノロジー

厳選!バイオ株ファンド 米国企業が圧倒的な存在感 篠田尚子

バイオ株ファンドでは米国企業の存在感が目立つ Bloomberg
バイオ株ファンドでは米国企業の存在感が目立つ Bloomberg

 バイオテクノロジーは息の長い人気テーマ。20年の長寿ファンドもある。>>特集「これから来る!バイオ医薬株」はこちら

バイオ株指数の連動商品も

 多様な投資テーマが存在する投資信託の世界で、バイオテクノロジー、医療、ヘルスケアは、20年以上の歴史を誇る息の長いテーマである。それだけ長い間投資テーマとして存続しているのは、マーケットの浮き沈みを経てもなお投資妙味があるということだろう。

 国内公募投資信託で最も古い分類に入るのは、2000年代前半に設定された、日本を含む世界のバイオ医薬関連株を投資対象とする株式ファンドだ。00年代前半といえば、世界の医薬品が、化学合成で作られる低分子化合物から、遺伝子組み換えなどの技術を要するバイオ医薬へとシフトし始めた時期である。投資テーマとしてバイオ関連株にも注目が集まった結果、04年ごろまでに10本以上のファンドが設定された。

 大半は既に償還してしまったが、設定から20年近い年月を経て、今もなお2000億円規模の残高を誇るのが、三菱UFJ国際投信の「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」だ。時代の変化に合わせて、バイオテクノロジーだけでなく、医薬品やヘルスケア機器など複数の業種をまんべんなく組み入れており、地域別でみると足元では米国の比率が最も高い(約7割)ものの、欧州や日本も投資対象に入っている。外部委託運用ということもあり、信託報酬が設定当初から「高止まり」している点は惜しいが、組み入れ銘柄については時代時代に合わせて調整しており、過去10年は特に良好な成績を維持している。

 10年以降は、長寿・高齢化社会への挑戦が世界的な課題として浮かび上がる中、健康促進を目的としたヘルスケアサイエンス、メディカルサイエンスの分野にも注目が集まるようになった。さらに、「医療機器」「医療テクノロジー」「がん治療」などテーマの細分化が進んだほか、投資対象…

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