公的資金返済への険しい道 SBIは新生銀の非上場化で 提携地銀は一層のリストラで 高橋克英
有料記事
「地銀連合」構想を掲げるSBIホールディングス。提携地銀9行は有価証券で含み損を抱える。
>>特集「逆風の銀行」はこちら
SBIホールディングス(HD)は5月12日、子会社のSBI新生銀行にTOB(株式の公開買い付け)を実施し、非上場化する方針を発表した。SBIは一般株主が保有する26.98%の株を取得し、持ち株比率を最大77.02%に高める。国(政府系株主)はTOBには応じず、引き続き22.98%保有する。
SBI新生銀行の公的資金要返済額3494億円を前提とした場合、返済に必要な株価は7448円となる。これは、TOB発表前の株価が2500円弱だったことからみても、はるかに高い水準で、株価上昇による返済は事実上困難だった。非上場化により経営の自由度を高めることで、公的資金の返済を目指すことになる。SBIは、株主平等原則を含む法令順守などを勘案した上で、国との間で、25年6月末までに「確定返済スキーム」(返済に向けた仕組み)について合意を目指すという。
なお、SBIは現時点における考えとして、①国の持ち株比率に応じた配当を行う方法などにより公的資金の返済を行う、②毎期の国への配当額が公的資金の残額に達するには「相応の期間」が必要──としている。時間を要するものの、より公平性と透明性が確保されたスキームといえよう。
SBI新生銀行の利益剰余金(連結)は3903億円に達している(23年3月期)。非上場化により、「事業価値」の核となるSBIグループとの連携による新たなるビジネスモデルの確立と収益の拡大がさらに進めば、悲願の公的資金返済への道筋がより明確になろう。
じもとHDに追加支援も
SBIが掲げる「地銀連合構想」による資本・業務提携先は、島根銀行▽福島銀行▽筑邦銀行▽清水銀行▽東和銀行▽筑波銀行▽じもとHD(きらやか銀行、仙台銀行)▽大光銀行──の9行だ。
足元では、海外金利の上…
残り752文字(全文1552文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める