インタビュー「社会人野球は誰かのためにやる野球の原点」源田壮亮・埼玉西武ライオンズ選手
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日本中が歓喜に沸いた3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。侍ジャパンの不動のショートとして優勝に貢献した埼玉西武ライオンズの源田壮亮選手は、トヨタ自動車出身で都市対抗野球でも優勝を経験している。(聞き手=村田晋一郎・編集部)
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── トヨタ自動車で野球をやる前は社会人野球にどういう印象を持っていましたか。
源田 東海地方は社会人野球のチームが多く、野球をやれる道が広がるということで、愛知学院大学に進学しました。愛知県で野球をやっていると、トヨタの野球部は絶対的な存在のチームでしたし、トヨタで野球をやりたいということは大学3年ぐらいから言っていました。
また、大学時代から都市対抗野球は見ていましたし、あの独特な応援はプロ野球にもなく、また高校野球とも違っていて、すごく魅力的に思っていました。あの応援の中で野球をやってみたいと思いましたし、実際にやってみてワクワクしました。
── 試合には職場の同僚の方も見にきていたと思いますが。
源田 職場に行くたびに、皆さんが気にかけてくれて、調子はどうだとか、次の試合を見に行くとか、声をかけてくれていました。そして自分が活躍したり、チームが勝ったりすることによって、職場の人たちもみんな喜んでくれる。学生の頃は誰かのために野球をやるという感覚はあまりなかったのですが、トヨタに入ってからは、自分が頑張ることによって周りの人が喜んでくれる。そういう感覚は社会人野球で初めて体験したもので、やりがいを感じるようになりました。プロ野球と規模は違いますが、自分のプレーで誰かが喜んでくれるということの原点は社会人野球だったと思います。
初めて守備でダメだし
── 源田さんの華麗な守備の原点はトヨタ時代にあるそうですね。
源田 子供の頃から守備がアピールポイントでしたが、トヨタに入って初めて守備でダメだしをされました。それまで誰にも何も言われずにやっていたところを、当時のコーチだった乗田貴士さんに指摘されてうれしかった。この人についていこうと思って、死に物狂いで練習しました。
── 具体的にはどういったことを指摘されたのですか。
源田 プレーが軽いとか、雑だと言われました。うまいけど軽い、エラーが多いというのは大学の時にも言われていましたが、その原因が自分では分かっていなかった。それで乗田さんに、グローブの出し方や足の運び方、姿勢など、いろいろとちゃんと教えてもらって、自分でも初めて原因が分かった。そこからは課題を潰す練習に取り組んで、プレーの確実性を上げていきました。
── 源田さんの守備の特徴は捕球した時に…
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週刊エコノミスト
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