週刊エコノミスト Online 毎日新聞・経済プレミアから
東芝の上場廃止は「一般株主への裏切りだ」専門家に聞く
有料記事
東芝が12月20日に上場廃止となった。不正会計の発覚から8年。米原発子会社の破綻や大株主の海外投資ファンドとの対立など、迷走の末に非上場企業となる。企業法務に詳しい中島茂弁護士に、東芝の上場廃止をどう考えるかインタビューした。すると「株主に対する裏切りだ」との答えが返ってきた。【聞き手・今沢真】
――東芝の上場廃止をどう見ていますか。
◆中島茂弁護士 私は「株主に対する裏切り」だと思っています。「物言う株主」に対してしっかりした対応ができず、安易に上場廃止の道を選んだように見えるからです。
東芝は2017年に米原発子会社の破綻で債務超過に陥り、当時の東証1部から2部に指定替えになりました。そこで6000億円の増資をして債務超過を解消し、3年あまりで1部に戻りました。
増資で入ってきた「意向に沿わない株主」との対立で、経営が思うようにいかなくなりました。でも、だからといって上場をやめるのは本質と違うと思います。1部復帰で「再び企業価値を向上させてほしい」と願った一般株主への裏切り行為にほかなりません。
上場に必要な「覚悟と決意」
――上場企業としての覚悟がなかったということですか。
◆そ…
残り1337文字(全文1837文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める