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週刊エコノミスト Online 編集後記

和田肇/浜田健太郎

編集部から

 昔、仏南部の工場(仏企業)を取材した時の出来事。海外からは私以外にも欧州主要国の記者が参加していた。レクチャー(英語)を受けていた時、フランス人の高齢の女性記者が「私は英語がよく分からない。仏語で説明してくれ」と言い出した。企業側は了承。「他国の記者さんは不明な箇所があれば質問してください。英語でお答えします」となった。仏語はさっぱり分からない。他国の記者も不満タラタラだった。

 同じく独西部の企業(独企業)を取材した際、若い女性社員が古い街並みを案内してくれることになった。道すがらグリム童話の話になり、私が「日本でも演劇で白雪姫が上演されていますよ」と言うと、奇麗な金髪のその女性社員は「ノー、日本人の白雪姫なんて見たくないわ」とにべもなく答えた。翻って日本。日本企業は海外メディアにオープンだったのか。互いに反省するところはある。

(和田肇)

 9月にウィーンを旅して、モーツァルトとマーラーのオーケストラを堪能した。敬愛する音楽家二人が住んだ街で、至高の演奏を聴き感激した。

 列車で3時間のブダペストにも足を伸ばした。ハプスブルク帝国の面影を残す両首都は街それ自体が芸術のよう。カメラのファインダー越しに記憶を切り取る愉楽の余韻はいまも残る。

 現地で目立つアジア系の旅行客は中国人。次に韓国人。日本人をみかけることはとても少なかった。現在日本人のパスポート保有率は17%。諸外国との比較で著しく低い。特に若者たちが海外旅行を忌避することが多いと報じられている。

 円高が進んだ「プラザ合意」の当時、私は大学1年。友人たちは競って海外を旅して自慢し合った。円安を志向する「アベノミクス」から10年余り。世界への好奇心が日本人から失われつつあると憂慮している。

(浜田健太郎)

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【訂正します】

 10月15日・22日号95ページ「挑戦者2024」の「企業概要」で、資本金が「1億5000万円(資本準備金含む)」とあるのは、「1億5010万円(資本準備金含む)」の誤りでした。

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