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週刊エコノミスト Online インタビュー

インタビュー「インフルエンザとコロナの混合ワクチンを厚労省に来年申請へ」ステファン・バンセル・モデルナCEO

Stephane Bancel 1972年仏マルセイユ出身。エコールサントラルパリ(ECP)で工学修士号、ミネソタ大学で化学工学修士号、ハーバードビジネススクールでMBAを取得。米イーライリリー・アンド・カンパニー幹部や仏ビオメリューCEOを経て2011年10月より現職。

 新型コロナウイルスのワクチンで知られる米モデルナは10月17日、神奈川県の「湘南ヘルスイノベーションパーク」で、同施設内にワクチンの開発・製造拠点を開設する意向を表明した。来日した同社CEOに業績や今後の製品について聞いた。(聞き手=稲留正英・編集部)

── 9月のR&Dイベントでは、今期と来期の売上高見通しを下方修正し、株価も急落した。

■新型コロナは「パンデミック(世界的な大流行)」から「エンデミック(局所的な流行)」に移行した。だから、10%程度の売上高の下方修正はそれほど悪いものではないと考えている。

 しかし、再び、売り上げを成長させるため、今後、新製品を投入していく。今年は、欧米でRSウイルス(気管支炎や肺炎などを起こす呼吸器系のウイルスで乳児や高齢者の重症化リスクが高い)のワクチンの製造・販売承認を得たほか、イベントでは、さらに年内に三つの新製品をFDA(米食品医薬品局)に申請すると発表した。来年末までには、計4~5の製品が承認され、売り上げは再び成長軌道に乗る。

── モデルナのRSウイルスワクチンは他社に比べて、有効性が薄いとの報道もある。

■第3相の臨床試験(有効性と安全性を確認する最終段階の試験)をした時期が違うので、そのまま比較するのはフェアではない。公開された情報によると他社の第3相試験は、新型コロナのオミクロン株の感染が拡大した2022年12月から23年1月の時期に行われた。この時期は米国と欧州では再びロックダウンが実施され、人々は家でマスクをして過ごしていた。一方、当社の第3相試験はその1年後で、米国史上、最もRSウイルスの感染が拡大した時期だった。

 米疾病対策センター(CDC)は来年6月に、24年の秋から25年初めの冬期におけるRSウイルスワクチンの有効性と安全性のデータを公表す…

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