“AI課税”という選択肢 池谷裕二
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18世紀の蒸気機関に始まる英国での変革以来、人類は石油や電力の発展を経て、幾度かの産業革命を経験した。現在もまた、ITやAI(人工知能)がけん引する新たな産業革命の時代にある。これまでの革命が主に、肉体労働の代替を目指していたのに対し、現代の革命は知的作業が標的だ。知的作業はヒトらしさの象徴で不可侵とされてきたため、今回の革命には特別な意味合いがある。
2024年11月、米国の大手掲示板サイトRedditに「上司と人事部から私の職種がすべて自動化されると告げられた」との投稿がされた。投稿によれば、テレビ局でAIシステムの導入が決定し、監督や音響、グラフィックの担当者など20人が解雇されたという。反響は瞬く間に5000件を超え、多くの分野でAI導入により職が奪われつつある現状を嘆く声が相次いだ。特に、中高年の仕事が自動化されるケースが多く、再就職…
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週刊エコノミスト
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