マーケット予想 ビットコインの史上最高値に潜むリスク 松嶋真倫
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2024年のビットコイン相場は、4回目となる半減期(4年に1度、新規発行量が半減するイベント)イヤーとしてスタートし、期待通りに目覚ましい成長を見せた。米国でのビットコイン現物ETF(上場投資信託)の上場や、利下げ転換、トランプ氏の大統領選勝利がポジティブな影響を与え、1BTC(ビットコインの単位)当たり1500万円を超え、史上最高値を更新した。
過去3回の半減期のパターンを踏まえると、ビットコインは25年に向けてさらに上昇する可能性が高い。米国では、トランプ氏の下で暗号資産規制の改革が進むとの期待が高まる。具体的には、これまで証券とコモディティーの間で揺れていた暗号資産の定義を明確化し、適切な監督機関を設けることで、規制の不確実性が解消される見込みだ。米証券取引委員会(SEC)の委員長をはじめ、暗号資産推進派が重要ポストに就任する見通しで、米国全体で暗号資産を推進する姿勢が強まっている。
これにより、米国では暗号資産関連企業の事業環境が大きく改善し、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)の取引も活発になりそうだ。ソラナやリップルなど一部のアルトコインは既に大幅上昇し、米国での現物ETF申請の増加に伴い、アルトコインブーム再来の可能性も指摘される。
特に注目されるのは、ステーキング(資産を預託して利回りを得る仕組み)に関する規制緩和だ。解禁されれば、インカムゲインが得られる投資商品としての魅力が高まり、イーサリアムなどの投資需要が拡大する可能性がある。
デジタルゴールドへ
米国でのビットコイン準備金の導入も大きな注目材料だ。トランプ氏が選挙活動中にその可能性に言及したことから、任期中の実現に向けた期待が高まる。カナダやブラジルなどの各国でも準備金を議論する動きが広がっており、金(ゴールド)に並ぶデジタルゴールドとしてビットコイン…
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週刊エコノミスト
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