東京市場 ストラテジストが読む 自動車追加関税が最大リスク=三井郁男
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株式市場は、貿易摩擦の悪影響が読み切れない状況が続いたが、堅調な米国経済が牽引(けんいん)し、世界全体の経済成長にダウンサイドのリスクはまだ小さいとの見通しも多く、売られ過ぎの反動から上昇した。
7月16日発表の国際通貨基金(IMF)世界経済見通しは、世界全体の成長率が2018が年3・9%、19年が3・9%と4月時点の予測が据え置かれた。国別では好調が続く米国は成長率見通しは据え置きだった一方で、日本と欧州は、1~3月期の成長下振れの影響で下方修正となった。日本は消費の不振が足を引っ張った。
引き続き貿易摩擦の行方は見通せない状況だが、日本にとって自動車追加関税の行方が最大のリスク要因には変わりない。IMFも自動車関税引き上げの場合、日本は0・2%のGDP(国内総生産)下押しの要因になるとしている。期待が持てる話題として7月25日、トランプ米大統領とユンケル欧州委員長との会談では、自動車を除く工業製品の関税撤廃や、米国産の大豆や液化天然ガスの対EU(欧州連合)輸出拡大に向けた貿易交渉…
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週刊エコノミスト
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