マーケット・金融THE MARKET

今週のポイント 米国雇用統計(9月7日) 20万人程度の雇用増加が続く=窪谷浩

米国の雇用動向(非農業部門雇用増と失業率)
米国の雇用動向(非農業部門雇用増と失業率)

 9月7日に米国で8月の雇用統計が発表される。雇用者数は2010年10月から18年7月まで、統計開始以来最長となる94カ月連続で増加しているほか、雇用増加ペースも高い水準を維持している。8月は労働市場の回復持続を確認する上で注目される。

 まず、7月の雇用統計を振り返ると、非農業部門雇用者数は前月比15.7万人増と好調とされる20万人を3カ月ぶりに下回ったほか、市場予想の19.3万人増も下回った。もっとも、過去2カ月分が合計5.9万人上方修正されており、過去3カ月の平均では22.4万人増であったことを考慮すれば、良好な結果と言える。また、失業率は前月から0.1%ポイント低下し、3.9%と00年以来18年ぶりの水準となった。

 一方、時間当たり賃金は、全雇用者ベースの前年同月比で2.7%増と、回復が足踏みしているほか、3%台であった金融危機前の水準を回復できていない。このため、雇用者数や失業率に比べて賃金回復は緩やかにとどまっている。もっとも、労働力不足が熟練労働者から低技能労働者に拡大しており、賃金上昇ペースは今後加速する可能性が高い。

残り537文字(全文1010文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事